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妄想力を形に~二次元から三次元への扉を開く 〈後編〉

Session 01 宇野常寛×武地実

 

現実に最適化されたことからは、新しい価値は生まれない

武地:いろんなSF映画、例えばスターウォーズのホログラム使っての通信とかってGateboxのイメージと近いと思うんです。

宇野:あ、それ初めてGatebox見たときに思いました。エピソード4の。

武地:それって結構世代が出るんですよね。スターウォーズを思い起こす人と、Fateの召喚を思い起こす人とで。

宇野:Fateの奈須きのこさんって僕らと同じ世代なんですよね。だから、きっと奈須さんもスターウォーズとか僕らの世代のSFの影響を受けているはずで、さらに奈須さんの解釈のもとに、Fateのような新しい作品が生まれてくる。なんか、一周している感じですよね。

武地:僕らもそういう作品に憧れとかインスピレーションを受けて、実際に作りたいと思うキッカケになるわけで、SFで描かれた世界は誰かが作らないと実現しないので、自分たちの手で実現したいなと思いますね。

宇野:効率化とかコストパフォーマンスとか考えたら、人間型のアンドロイドを作る意味ってゼロだと思うんですけど、効率化とか利便性の文脈の外側にあるからこそ、文化としての批判力を持ってくると思うんですよね。

武地:無駄なもの、夢の塊みたいなものを実現していくことがベンチャーの役割かなと。

宇野:絶対にやるべきだし、武地さんにはぜひやってほしいと思います。そういったことから次の時代がやってくると思うんですよね。そもそもコンピューターカルチャーだって、初めからこんなに世界を変えると思われていた訳ではなくて、現実逃避の一つだった訳ですよね、世界的に60年代末に左翼の反乱が起こって、70年代にポシャって、若者は精神世界に逃げ込む。そして、世界を革命で変えるんじゃなくて、カルチャーで世界の見方を変えるんだって方に行く訳ですよね、ドラッグ、エコ思想、ちょっと間違った禅とか。東京だと、アニメとかオカルトとか。そのうちの一つが、コンピューターカルチャーだった訳で、現実逃避だったんですよ、最初は。その現実逃避が始まってから40年経って、世界をひっくり返したわけですよね。つまり現実に最適化したものからは次の世代のものは生まれないというわけです。現実に最適化すると「アレクサ、ミネラルウォーター買っておいて」みたいになるわけじゃないですか。便利にはなるけど、そこから何か新しいものは生まれないと思うんですよ。

武地:利便性の追求とか最適化とかはやっぱり現実の延長ですよね。そのレールから外れたものを新たに生み出さないといけない。

宇野:妄想を形にする力がないとダメだと思います。何年か前にネットで話題になってたと思うんですけど、80年代のドラえもんにお好みボックスっていう回があって、お好みボックス自体はマイクのついたただの四角い箱。だけど、カメラになれっていうとカメラになって、レコードになれっていうと、レコードになる。これってほぼiPhoneですよね。ジョブズも当時はまだiPhoneを考えついてないと思うけど、藤子・F・不二雄は考えていたことの証明ですよね。

武地:使えるテクノロジーを無視した発想ですよね。その発想をどうやって現実に変えていくか、モノづくりとして一番楽しい瞬間ですね!

個性的なキャラクターたちと出会えるプラットフォームへ

宇野:そういえば、気になってたんですけど、Gateboxに呼び出せるキャラクターって今後増えたりしますか?

武地:もちろん考えています。300台の限定生産モデルを販売した後に、ユーザーさんからもいろんなキャラクターと生活してみたいという声をいただいていまして、今回の量産モデルを発売した後に色々な展開を考えています。

宇野:そうですよね、無限に横展開できそうな気がしていて、そのあたりの可能性すごく感じますね。ちなみにちょっと思ったんですけど、今は男性向けのキャラクターが登場するようになってますけど、実は女性にめちゃくちゃ刺さりそうですよね。ひとりのキャラクターをじっくりと愛し続けられる感じがして。

武地:さすが、鋭いですね(笑)我々も実はそのように考えてて、女性向けのキャラクターのラインナップの拡充は戦略的にもとても重要だと考えています。

宇野:最終的にはGateboxをどういう風に普及させていきたいですか?

武地:ご存知の通り、日本はキャラクター大国で数えきれないくらいのキャラクターが存在していて、それぞれが魅力的な個性を持っているので、将来的にはそれらの無数のキャラクターに会えるプラットフォームとしての展開を実現したいと考えています。

宇野:本当に無限の可能性を感じます!ぜひ、実現させてくださいね。

武地:はい、頑張ります!本日はありがとうございました。

Session 01 宇野常寛×武地実